ROMA(NETFLIX)

前回のナルコスの記事に引き続き、またもNETFLIX作品についての記事になってしまいました。

正直ネットフリックスのおかげで他の趣味が止まってます・・・

元々は、ネットフリックス内で見る優先順位としては低かったこのローマ。
あらすじを読んでもなぜタイトルがローマなのにメキシコの話なのか?とか、そもそもストーリーがないぞとか、その程度の印象。

ちなみにタイトルのローマの意味は、本編を見ても分かりません。
他にも映画の最後に「リボにこの映画を捧げる」と出てきますが、これも調べないと誰の事か分かりません。
要検索!!

しかし、ここまで色々な賞を取り(特に個人的にはベネチアの金獅子賞を取ってるだけで、見たい度がぐっと増す。)、メディアでも取り上げられ始めたので、やっと重い腰を上げて見ましたが・・・

感想としては、かなり見ごたえのある作品でした!!
(後回しにしてごめんなさい!!)

ただし、最初に断っておくと、あらすじを読んだ際の印象の通り、ストーリーは特になく、主人公のお手伝いさんが炊事洗濯している様子等、時間が穏やかに流れていく場面も多いため、退屈に感じる時間も少々ありました。さらに、事実を基にしている為、見終わってモヤモヤする部分もあったりする。特に「全裸男はそれ相応の罰を受けるべき!!」とか。

そもそもこいつに (行為の前に全裸で棒術する必要あるか?笑) 限らず、この映画で出てくる男は集団も含めて、少し滑稽に描かれてます。

また、全編白黒でしたが、新作なので画質は当然良いため、あまり気になりませんでした。

特に撮影が良かった。
まずオープニングの家の敷地内(床)を撮る何気ないカット、まさかこれがラストの同じ場所でのカットと対になり、この映画を通しての主人公の変化を暗示しているとは思いませんでした。
また、クライマックスの海のシーンでは、海→ビーチ→海と動く主人公と並走するような形で水平に動き、沖に行った為に姿の見えない子供達を探す主人公と同じ不安感を覚えました。これがものすごい長回しの後、主人公がある告白をして、この映画のメインビジュアルになっている6人が抱き合う所までの流れは完璧でした。
(同じ並走するカメラワークだと、例えば、町中で主人公が走っている場面が2回ありましたが、1回目は走る主人公の疾走感が、内面の高揚感を表しているように感じましたが、2回目はこれもまた子供を見失って探しており、焦燥感や不安感を感じる演出になっていました。)

ストーリー的には、中流一家とお手伝いさんの話だけど、二人の女性が虐げられ、傷つき復活するまでの物語、こう書くとストーリーもちゃんと起伏があります。
二人とも社会的地位は全く違いながらも、同じように男性によって傷つけられ、お互いに支え合い、強く復活していきます。
また、背景には当時のメキシコの政治的混乱、貧富の格差もありますが、劇中でハッキリとは説明されないので、積極的に読み解くしかありません。(玄関から外に出るシーンの度に出てくる、ラッパを吹き行進する軍隊とか。)

それに拍車をかけるように、場面ごとの細かい表現も無視できない。
動物のはく製や骸骨のおもちゃ等印象に残る物も多く、車は非常に重要な小道具で、さらに犬のフンまでもが小道具です笑

長くなりましたが、撮影と小道具などのディテールの見事さで、まるで自分が当時のメキシコにいたような感覚にさせる臨場感を作り出し、貧しい女性の視点という昨今二重に重要なテーマでストーリーを作る、賞を取るのは必然ですね。
また、個人的には先住民系のお手伝いさんを中南米で何人も見てきたので、彼女たちを思い出したりもしました。確かに彼女らは朝早くからよく働き、いつも笑顔で仕事をし、子育ても両立していたように思います。ただし、プライベートな部分は見たことがなかったので、今回の映画でそれを覗き見したような感じがしました。

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