GODZILLA KING OF THE MONSTERS(ゴジラキングオブモンスターズ)

いちおネタバレ有です。(といってもこの映画においてネタバレとかあるのだろうか。)

IMAX 3D 字幕版を見てきました。
感想を簡単に書くと、大迫力の怪獣バトルに対して、人間のドラマは少し貧弱といった感じです。
私としては楽しめましたが、逆に後でDVDで見ていたら、迫力が落ちる分楽しめなかった可能性があり、映画館で見るのは必須かもしれません。
特にIMAX 3Dでは、人によって恐怖を感じるかもしれないくらいの迫力がありました!

パンフレットは特別版が売り切れで、通常版を購入。
内容としては、インタビューやコラムには読みごたえがあったが、前作の舞台がロサンゼルスと記載されていたことに不満。(見てねぇのか。)

大迫力の怪獣バトル

前作では、ゴジラやムートーの姿を現すまで、かなり時間がかかりましたが、今回は最初に前作の2014年におけるゴジラの姿を出して以降、矢継ぎ早に様々な怪獣が現れ、完全なお祭り映画となっています。
戦闘中に流れるBGMで「そいやっ!」「そいやっ!」って流れてますしね笑
(ちなみにエンドクレジットで流れる 「GODZILLA FEAT.SERJ TANKIAN」や、 伊福部昭のゴジラのテーマをアレンジした曲 などが、劇中で使われていますが、そこでも「そいやっ!」は入ってきます笑)
やっぱり祭りの臨場感は、やっぱり劇場でないと味わえないですね。
怪獣同士の地上戦・海上戦・空中戦が、広大な自然や大都会で繰り広げられます。

ストーリー的にも良かったと感じたことがあります。
キングギドラとラドンの空中戦で、ラドンが負けを認め降参し、地球の覇者だったゴジラは瀕死(→人間のせいだけど)、世界中の怪獣達がキングギドラ一門になった。
そう、実は怪獣も社会的だったのだ。(前作のムートーはアホだっただけかなとか、いやいや善戦したんだから悪くない判断だったのかなとか、考えてしまいます。)
ここで実はキングギドラは、宇宙から来たことが示唆され、地球の生態系的にもキングギドラという外来種を排除しなければならない、という流れは自然で納得のいくものでした。
クライマックスの決戦は、当然の成り行きでの2対2ということです。
人間がどちら側につかねばならないかも明白でした。
結局は人間も怪獣も地球の自然の一部であり、人間から見た怪獣は自然=八百万の神でもあるということです。

日本ゴジラへのオマージュ

音楽で言えば、上のゴジラのテーマもそうですが、モスラのテーマも聞けて、とても懐かしい気持ちになりました。
というか、ゴジラのテーマに関しては、前作でなぜ採用されなかったのか・・・

個人的には最後のエンディングが、ゴジラ愛を感じました。
スーツアクターの人が亡くなってたのは知らなかった。

ただし、オマージュが行き過ぎているように感じなくもなかったです。
モナークの前線基地の番号とか、モンスターゼロという呼称とか、芹沢博士の役回りとか。

個人的に好きなシーン

キングギドラがモスラの吐いた糸で、頭を3つとも高層ビルに張り付けられて身動きできなくてもがいていると(→言葉で書くと意味不明)、高層ビルのガラスにゴジラが映り込み、慌てて振り返るが時すでに遅く、攻撃を受けてしまう場面は、高層ビルにもまだこんな使い方があるのかと思ってしまいました。

ラドンのローリングアタック。戦闘機をハエ叩きのように次々と落としていきますが、これは、CGじゃないとできない動きですね。
おっ、今回のラドンはやるじゃんと思ってみていると、最終的にはゴジラに土下座していて、いつものラドンじゃんと笑

キングギドラが、電力で充電し、そのパワーを放電するシーンもかなり迫力があり、この世の終わり感が出てました。
(そこでも戦闘機やVTOL機がパラパラと落ちてましたね。)
あと、キングギドラの咆哮が、十字架越しで火山の山頂っていうのも神々しいシーンでした。

モスラに後光が差している感じとかも良かったです。

納得できない部分

ネットで調べてみると不満がある人が多いようですが、私も人間ドラマはイマイチだと感じてしまいました。
例えば、エマの環境破壊をする人類こそが病原菌で、数を減らすために怪獣を目覚めさせ、暴れさせる必要があるという主張は、MARVELのアベンジャーズシリーズのサノスと似たものです。
しかし、エマがサノスと大きく違う点は、サノスはその目的の為に愛する者の命を失ったのに対し、エマは世界中の人間を殺して自分と娘だけは助かりたいという考え方です。
この志の低さで物語が停滞している感が否めません。
また、動機に関しても、息子の死のきっかけはゴジラとムートーの戦いであり、人類の環境破壊は関係ありません。
息子の死をきっかけにするのであれば、二度とあんな惨劇が起きないように、オルカを使い怪獣をコントロールするか、怪獣を殺せば済む話です。
息子の死とオルカの研究は繋がりますが、怪獣を目覚めさせて人類を減らすというのは、筋が通りません。(別人にでもなったのかな。)
彼女の計画もずさんだしなぁ。
一気に目覚めるのと、少しずつ目覚めさせるのはどこが違うのだろうか。

スターウォーズやアベンジャーズ等、スケールが大きい話の中心には家族というテーマが柱になっていますが、今回の映画で感じたのは、それはゴジラには不向きだということです。
自然災害のような怪獣達のバトルと人間の家族の話は、それぞれ独立しているため、家族を物語の中心に据えることは不可能だと思います。
また、自然災害として描くのであれば、ゴジラが味方のような演出や、意思疎通が取れているような描写は不自然に感じました。
対照的なのが「シン・ゴジラ」で、そこらへんの描写はしっかりとしていたように感じます。
人間の描写は、家族よりも、災害に対する対応する役人中心でした。
事件は会議室で起こっていましたね。
(今回のゴジラは、会議室ごと移動して積極的に現場に向かい、危機に陥っていましたが。)

他にも、主人公たちはゴジラと近い距離あったけど放射線大丈夫?とか、なんで海底の古代遺跡にカタカナでゴジラとかいてあるのかとか、モナークの規模がよく分からんとか、オルカって結局はどういう装置なの?とか、チャン・ツィイーが双子という設定に気づきにくいとか(同じ人物かと思った笑)、あれっ今ゴジラ笑わなかった?とか、色々ありますね。

たくさん書きましたが、総じて映画館に行く価値はありましたが、DVDを購入して見返す作品ではないかと。
また、次作のキングコングVSゴジラへの期待は、確実下がっております。

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