GODZILLA KING OF THE MONSTERS(ゴジラキングオブモンスターズ)

いちおネタバレ有です。(といってもこの映画においてネタバレとかあるのだろうか。)

IMAX 3D 字幕版を見てきました。
感想を簡単に書くと、大迫力の怪獣バトルに対して、人間のドラマは少し貧弱といった感じです。
私としては楽しめましたが、逆に後でDVDで見ていたら、迫力が落ちる分楽しめなかった可能性があり、映画館で見るのは必須かもしれません。
特にIMAX 3Dでは、人によって恐怖を感じるかもしれないくらいの迫力がありました!

パンフレットは特別版が売り切れで、通常版を購入。
内容としては、インタビューやコラムには読みごたえがあったが、前作の舞台がロサンゼルスと記載されていたことに不満。(見てねぇのか。)

大迫力の怪獣バトル

前作では、ゴジラやムートーの姿を現すまで、かなり時間がかかりましたが、今回は最初に前作の2014年におけるゴジラの姿を出して以降、矢継ぎ早に様々な怪獣が現れ、完全なお祭り映画となっています。
戦闘中に流れるBGMで「そいやっ!」「そいやっ!」って流れてますしね笑
(ちなみにエンドクレジットで流れる 「GODZILLA FEAT.SERJ TANKIAN」や、 伊福部昭のゴジラのテーマをアレンジした曲 などが、劇中で使われていますが、そこでも「そいやっ!」は入ってきます笑)
やっぱり祭りの臨場感は、やっぱり劇場でないと味わえないですね。
怪獣同士の地上戦・海上戦・空中戦が、広大な自然や大都会で繰り広げられます。

ストーリー的にも良かったと感じたことがあります。
キングギドラとラドンの空中戦で、ラドンが負けを認め降参し、地球の覇者だったゴジラは瀕死(→人間のせいだけど)、世界中の怪獣達がキングギドラ一門になった。
そう、実は怪獣も社会的だったのだ。(前作のムートーはアホだっただけかなとか、いやいや善戦したんだから悪くない判断だったのかなとか、考えてしまいます。)
ここで実はキングギドラは、宇宙から来たことが示唆され、地球の生態系的にもキングギドラという外来種を排除しなければならない、という流れは自然で納得のいくものでした。
クライマックスの決戦は、当然の成り行きでの2対2ということです。
人間がどちら側につかねばならないかも明白でした。
結局は人間も怪獣も地球の自然の一部であり、人間から見た怪獣は自然=八百万の神でもあるということです。

日本ゴジラへのオマージュ

音楽で言えば、上のゴジラのテーマもそうですが、モスラのテーマも聞けて、とても懐かしい気持ちになりました。
というか、ゴジラのテーマに関しては、前作でなぜ採用されなかったのか・・・

個人的には最後のエンディングが、ゴジラ愛を感じました。
スーツアクターの人が亡くなってたのは知らなかった。

ただし、オマージュが行き過ぎているように感じなくもなかったです。
モナークの前線基地の番号とか、モンスターゼロという呼称とか、芹沢博士の役回りとか。

個人的に好きなシーン

キングギドラがモスラの吐いた糸で、頭を3つとも高層ビルに張り付けられて身動きできなくてもがいていると(→言葉で書くと意味不明)、高層ビルのガラスにゴジラが映り込み、慌てて振り返るが時すでに遅く、攻撃を受けてしまう場面は、高層ビルにもまだこんな使い方があるのかと思ってしまいました。

ラドンのローリングアタック。戦闘機をハエ叩きのように次々と落としていきますが、これは、CGじゃないとできない動きですね。
おっ、今回のラドンはやるじゃんと思ってみていると、最終的にはゴジラに土下座していて、いつものラドンじゃんと笑

キングギドラが、電力で充電し、そのパワーを放電するシーンもかなり迫力があり、この世の終わり感が出てました。
(そこでも戦闘機やVTOL機がパラパラと落ちてましたね。)
あと、キングギドラの咆哮が、十字架越しで火山の山頂っていうのも神々しいシーンでした。

モスラに後光が差している感じとかも良かったです。

納得できない部分

ネットで調べてみると不満がある人が多いようですが、私も人間ドラマはイマイチだと感じてしまいました。
例えば、エマの環境破壊をする人類こそが病原菌で、数を減らすために怪獣を目覚めさせ、暴れさせる必要があるという主張は、MARVELのアベンジャーズシリーズのサノスと似たものです。
しかし、エマがサノスと大きく違う点は、サノスはその目的の為に愛する者の命を失ったのに対し、エマは世界中の人間を殺して自分と娘だけは助かりたいという考え方です。
この志の低さで物語が停滞している感が否めません。
また、動機に関しても、息子の死のきっかけはゴジラとムートーの戦いであり、人類の環境破壊は関係ありません。
息子の死をきっかけにするのであれば、二度とあんな惨劇が起きないように、オルカを使い怪獣をコントロールするか、怪獣を殺せば済む話です。
息子の死とオルカの研究は繋がりますが、怪獣を目覚めさせて人類を減らすというのは、筋が通りません。(別人にでもなったのかな。)
彼女の計画もずさんだしなぁ。
一気に目覚めるのと、少しずつ目覚めさせるのはどこが違うのだろうか。

スターウォーズやアベンジャーズ等、スケールが大きい話の中心には家族というテーマが柱になっていますが、今回の映画で感じたのは、それはゴジラには不向きだということです。
自然災害のような怪獣達のバトルと人間の家族の話は、それぞれ独立しているため、家族を物語の中心に据えることは不可能だと思います。
また、自然災害として描くのであれば、ゴジラが味方のような演出や、意思疎通が取れているような描写は不自然に感じました。
対照的なのが「シン・ゴジラ」で、そこらへんの描写はしっかりとしていたように感じます。
人間の描写は、家族よりも、災害に対する対応する役人中心でした。
事件は会議室で起こっていましたね。
(今回のゴジラは、会議室ごと移動して積極的に現場に向かい、危機に陥っていましたが。)

他にも、主人公たちはゴジラと近い距離あったけど放射線大丈夫?とか、なんで海底の古代遺跡にカタカナでゴジラとかいてあるのかとか、モナークの規模がよく分からんとか、オルカって結局はどういう装置なの?とか、チャン・ツィイーが双子という設定に気づきにくいとか(同じ人物かと思った笑)、あれっ今ゴジラ笑わなかった?とか、色々ありますね。

たくさん書きましたが、総じて映画館に行く価値はありましたが、DVDを購入して見返す作品ではないかと。
また、次作のキングコングVSゴジラへの期待は、確実下がっております。

視聴リスト2019年

1月

  • ブレイキングバット(海外ドラマ)
  • テッド
  • サボタージュ
  • ジョンウィック/チャプター2
  • ドンジョン
  • エクスポーズ/暗闇の迷宮 

2月 (NARCOSで忙しかった。)

  • ワンダーウーマン
  • レディプレイヤー1
  • ルパン三世/シーズン1(アニメ)
  • ヒップホップエボリューション(NETFLIX)→ヒップホップ誕生以降、その進化の歴史を過去の人のインタビューしながら追っていくドキュメンタリー。ヒップホップは歴史が浅いので、レジェンド達もまだ生きている人が多い。

3月(引き続きNARCOSで忙しかった。)

4月(仕事が忙しかった為見れてない・・・)

5月(GWにMARVEL祭りがありました。)

  • アイアンマン2
  • マイティ・ソー
  • キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
  • アベンジャーズ
  • アイアンマン3
  • マイティ・ソー/ダーク・ワールド
  • キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
  • ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
  • アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
  • アントマン
  • シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
  • ドクター・ストレンジ
  • ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス
  • スパイダーマン/ホームカミング
  • マイティ・ソー/バトルロイヤル
  • ブラックパンサー
  • アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
  • アントマン&ワスプ
  • アベンジャーズ/エンドゲーム(IMAX 3D)
  • YOU VS WILD/究極のサバイバル術)(NETFLIX)→映画ではなく、冒険家ベアグリルスがジャングル等で与えられた課題に挑む際に、視聴者が彼の行動を選択する事で、進む道が分かれていく、新しいシリーズ。選択によっては課題が達成できない。また彼の番組にはおなじみの昆虫食も満載。

6月

7月~9月(仕事が忙しかったことと、ゲームに集中したため、見れず・・・)

10月11月(なぜ今更・・・)

  • ダークナイト
  • アウトレイジ

12月(来年の新作に備えてグレイグボンド祭り)

  • ベイビードライバー
  • カジノロワイヤル
  • 慰めの報酬
  • スカイフォール
  • スペクター

Avengers Assemble②(エンドゲームのネタバレ有)

①ではMCU全体の感想が主でしたが、ここでは「エンドゲーム」の感想を書きます。
ネタバレ豊富なので、まだ見てない人は読まないでください。

「エンドゲーム」は本当はGW中に行こうと思っていたのですが、過去作を見ることに時間を取られ、やっと観に行くことができました。
感想としては、細かいことは抜きにしてかなり楽しめた。
久しぶりにパンフレット(税込880円)なんかも買ってしまいました。
(ちなみにコラムが充実して良かったです。写真とかは少し物足りなかった印象です。)

観る前の心配・・・

観る前の気持ちとしては、少々不安がありました。
MCUを一気観した際に、特に「エイジオブウルトロン」「シビルウォー」と後半になっていくにつれて、キャラクターの数が増えすぎたために、見づらくなっているように感じていたからです。
しかし、「インフィニティウォー」では、サノスを中心に据えて、アベンジャーズをいくつかのチームに分けて扱うことで、少し見づらさを解消し、なおかつ全てのチームに勝つサノスの強さを見せつける事で、見事に次の作品に繋いだように思います。
また、指パッチンによって数が減ったことが、次の「エンドゲーム」での見やすさだけでなく、生き残ったメンバーの戦う動機になったことも大きいように思えます。
さらに、サノスを多面的に見せたことによって、ただの悪役でなく魅力的なキャラクターとして描けたことも大きいように思います。(個人的には、サノスの信念に少し共感してしまいました。)

結局、不安はある意味外れ、ある意味当たりもしました。
「エンドゲーム」の前半は少し地味な感じもしましたが、「インフィニティウォー」からの流れのおかげでキャラクターも少なく見やすいストーリーになっていたように感じました。
そしてクライマックスの戦いで、大勢の敵を前にアベンジャーズが劣勢という絶望的状況で、「インフィニティウォー」の指パッチンで失われたメンバーが復活し、ポータルを通って救援に登場するシーンには、心躍りました。
(ここでアベンジャーズのテーマ曲が流れるのも良い演出。)
それまでの21作(私の場合は19作)で積み上げてきたキャラクターが、一堂に会し団結している様子というのは、他の映画では味わえないでしょう。
しかも、そこでキャプテンアメリカが、待ちに待ったあのセリフで号令をかけると興奮は最高潮です。
ただ、興奮はそこが最大だったのも事実です。
いざ、戦いに入るとメンバーの多さが少々気になりました。
というか全メンバーを描き切れていないような気がします。
一瞬しか映らないバッキーや映ったかどうかも分からないグル―トなど、あと敵の中ボス達も何かしてたかな、といった感じです。
(あと「インフィニティウォー」でも気になりましたが、女性だけのチームは組む必要あるのかな、とかも気になりましたね。どうせ超人なのだから男女関係ないだろうと思います。そこらへんとかはDC映画の方がしっかりしてるのかな。)

今回のテーマ

「インフィニティウォー」のラストで奪われた命を取り戻す今回の戦いは、ずばり家族を取り戻すということ。
ホークアイが家族を喪失するシーンからこの映画は始まり、前半は喪失にスポットが当てられます。
序盤にソーがサノスを殺した際にも、居合わせたネピュラは微妙な表情でした。
いかに悪人であっても養父なので、複雑な感情なのでしょう。
また、血縁の家族がいないブラックウィドウやロケットにとっては、アベンジャーズやガーディアンズが家族同然であり、彼らにとってもこの戦いは家族の為なのです。
どんなに広大な全宇宙を舞台にした戦いの中でも、このテーマはやはり感動を呼びます。
「スターウォーズ」もスカイウォーカー家の家族の話です。
アイアンマンの家族は無事でしたし、5年の間に娘も生まれていましたが、彼はスパイダーマンの喪失を引きずっており、タイムトラベル作戦に参加することとなります。
(この作戦において彼が懸念していたことは、娘の存在でした。時を5年前に戻すのではなく、指パッチンで消えた人々を取り戻す事だけが唯一の解決策です。)

中盤のタイムトラベル作戦

正直に言うと、細かいことを気にすると辻褄が合わない気がします。
そもそもの量子世界の時間の流れと現実の時間の流れが、同じでないのは何となくあり得る気がするが、それによってなぜ過去に行けるのかがよく分からない。
劇中とある人物が忠告した別の時間軸は、結局生まれてしまったのではないか。
とか細かい疑問はかなり残る。
良かった点としては、過去作で既に死んでしまったキャラクターが再登場することで、大団円としてのこの映画がより際立つことだ。
特に初期メンバーのアイアンマンとキャプテンアメリカとソーは、過去と向き合うことで、成長だけでなく今後の生き方も見つける必要があった。
このシークエンスで面白かったのは、キャプテンアメリカがロキの杖を奪う所だ。
ラムロウ率いるストライクチーム(akaシールドの皮を被ったヒドラ)が、がっちり護衛しながら運んでいるエレベーターに乗り込み、「ウィンターソルジャー」と同じ構図になったので、また殴り合いかと思ったら、頓智を使って見事に奪うのにはやられた。
(あいつらは本当にキャプテンアメリカがヒドラに加わったと思ったのだろうか笑)

また個人的に「ドクターストレンジ」で気になっていたことで、香港・ロンドン・ニューヨークに拠点があるなら、「アベンジャーズ」の時チタウリ軍団が来たときは何してたんだという疑問が少し解消されました。
ハルクが向かうと、そこにいたのはストレンジではなくエンシェントワンだったことに一瞬驚いたがすぐに納得。
彼女がストレンジの存在を知っていたのは、映画を見た後少し考えてから何となく納得。
ただしそこまで知っているにもかかわらず、石を渡した後の結果については知らなかったのが不思議。
石の力で、ストレンジと同じようにこの結末を見たわけではないのだろうか。

クライマックスの決戦からエンディングまで

この記事の冒頭で、クライマックスの決戦の盛り上がりとカオスさは既に述べましたが、加えておくと、キャプテンアメリカ・アイアンマン・ソーVSサノスの戦いが始まったとき、キャプテンアメリカの分が悪いように感じましたが、「エイジオブウルトロン」のパーティの余興が伏線になっているとは思いませんでした。
(というかソーよ、ムジョルニアを持ってきているが、「ダークワールド」の敵ダークエルフはあれ無しで倒せるのか。)
また、3人がかりでも追い詰めれなかったのに、スカーレットウィッチは一人でかなり追い詰めたとか、ポッツはいつの間にスーツを着こなせるようになったんだとか、やっぱり女性チームは変だろ(2回目)とか色々あります。
私としてはトニーが死ぬのは、「インフィニティウォー」でのストレンジとのやり取りで予期していたので、あまり驚きませんでした。
そういえば、この戦いにおけるストレンジの活躍が今一つだったのも少し残念ですね。

この記事自体も映画同様カオスになってきましたが、やはりシリーズ全作をみて、大団円に浸り、見終わったら誰かとあーでもないこーでもないと雑談するのが、一番楽しめるのかなと思います。
パンフレットのコラムで、光岡ミツ子さんも言及していましたが、MCUが始まった10年前と大きく違うのは、映画の解釈をみんながネットで発信したり議論できるようになったことだと思います。
私もMCUに限らず、映画を見終わると一回検索するクセがついています。
世界中と共有できるこれだけ広大な物語は、そうそうないでしょう。
(そういえばグアテマラで会った子供も、アベンジャーズの玩具を持って遊んでいたような気がします。)
分断の時代が来るのかと言われていますが、こういう想像力が食い止める一助になればなと思います。

Avengers Assemble①(エンドゲームのネタバレ無し)

今年のゴールデンウィークは、10連休でした。
本当に10連休なのかが直前まで分からなかったので、海外旅行などの手配ができず、何をしようか困っていた時、「アベンジャーズ エンドゲーム」を観る前に、MCU(マーベルシネマティックユニバース)21本を一気見することを思いつきました。

何もやることが無かったというわけではなく、3日くらいは用事があったので、実質7日間で見なければなりませんでしたが、一日に2,3本ペースで、19本見ました。
(「インクレディブルハルク」は、ハルク役がマークラファロじゃないから、まぁいいかと言う理由でスルーし、また「キャプテンマーベル」は劇場公開が4月で終わっていた為、見逃してしまいました。)
下のリストが私が見た作品一覧です。(きっちり公開順で見ました。)

フェーズ1

  • アイアンマン (2008)
  • インクレディブル・ハルク (2008) →見る気にならなかった。
  • アイアンマン2 (2010)
  • マイティ・ソー (2011)
  • キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー (2011)
  • アベンジャーズ (2012)

フェーズ2

  • アイアンマン3 (2013)
  • マイティ・ソー/ダーク・ワールド (2013)
  • キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー (2014)
  • ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー (2014)
  • アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン (2015)
  • アントマン (2015)

フェーズ3

  • シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (2016)
  • ドクター・ストレンジ (2016)
  • ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス (2017)
  • スパイダーマン/ホームカミング (2017)
  • マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)
  • ブラックパンサー(2018)
  • アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー (2018)
  • アントマン&ワスプ (2018)
  • キャプテン・マーベル (2019) →劇場公開が終わってて、見逃した

全部見るに越したことはないですが、「エンドゲーム」を見るにあたって太字は見といた方が良いのかなと個人的に思います。
「キャプテンマーベル」を見ていないのは痛かったな。
ちなみに、「アントマン&ワスプ」以外は、ディズニーの動画配信サービスで見ました。(スターウォーズもあるので、そっちも見ようかと思ってます。1か月は無料でお試しできます。)
一気見の良い点としては、全てのストーリーが時にぼんやりと、そして時に強く繋がっているため、期間をあけずに次の作品を見ることで、その繋がりをより意識できることです。(実は一気見する以前に、リストの7割くらいはボチボチ劇場やDVDで見ていたのですが、前見た作品の記憶が曖昧のまま、次の作品を見ていました。)
しかし一気見には悪い点もあって、これらの作品が単体の作品として評価できないことです。特に「インフィニティウォー」と「エンドゲーム」を見終わった今、これら全てが一つの作品に感じ、それぞれの作品が持っていた味が私の中で混ざってしまい、少しぼやけて感じられます。(作品毎の感想をきちんと残しておけば良かったと後悔しています。)

リストの中から厳選するなら

シリーズとしてお勧めなのは、やはり「ガーディアンズオブザギャラクシー」です。
意外と地球が舞台になる事が多いMCU作品の中で、このシリーズだけはほぼ完全に宇宙が舞台のSFです。
私的な感想を一言で表すと、「スターウォーズ」と「銀河ヒッチハイクガイド」を掛け合わせたような作品でした。
宇宙船同士のバトルや親子の話という点は、「スターウォーズ」を想起させます。
また、コメディー要素も満載で、所々に外しのギャグがちりばめられています。
つまり、普通に笑って感動もできる作品なのです。
さらに予想外だったのは、宇宙が舞台のSFだと通常壮大なオークストラが使用されるイメージでしたが、「ガーディアンズオブザギャラクシー」では70~80年代のポップミュージックがふんだんに使用されているという点です。
ストーリー的にも、地球の昔のポップスが流れる必然性を主人公が地球から連れ去られたという設定で持たせ、かつ宇宙人にとって初めてであろう地球の音楽を聴いた際に、感動を描くことによって、我々が当たり前に聞いている音楽というものの良さを再発見できるような効果を感じました。(「ブラックパンサー」で今のヒップホップを代表するケンドリックラマーを起用したことや、「アイアンマン」はメタルがよく使用されていたように、マーベル映画では多様な音楽が使用され、キャラクター描写に深みを持たせています。)
このようなポップスの使い方は、最近の他の映画にも多大な影響を与えているように思います。
多分私だけでなく、こういう曲もアリなんだという驚きを皆が感じたのではないでしょうか。

1本の作品を選ぶとしたら、「キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー」です。
私の中でアベンジャーズシリーズの主役はキャプテンアメリカだと思っています。
1作目「キャプテンアメリカ ザファーストアベンジャー」において、逆境を乗り越えて超人になり、途中自分の役割を見失いながらも、最終的には兵士としての役割を果たし終え、「アベンジャーズ」でヒーローたちをまとめ上げることで統率力を身に着けた後、続編でやることはあるのかと疑問に思っていましたが、さらに成長するとは思ってもいませんでした。
兵士としては自分の所属する組織が全てです。
そこに疑問を持つことで、兵士を超えた自分の役割を見つけることは、後の3作目「シビルウォー」にも繋がっていきました。
また、死んだはずの人間が実は生きていたことは、魅力的な新キャラに繋がりました。
さらに、壊滅させたはずの組織が、実はイデオロギーを変えて現在にも残っていたことは、新たな倒すべき敵を作っただけでなく、我々の政治・社会への風刺にもなっています。社会の安全を揺るがすことで、世論を管理社会に導いていくこの組織のやり方は、リアリティーがあります。
ちなみに個人的に好きなシーンは、キャプテンアメリカがエレベーターでラムロウ率いるストライクチーム(シールドの特殊部隊)と戦うシーンです。(まさか「エンドゲーム」での伏線になるとは思いませんでした。)

「エンドゲーム」の感想は、②に続きます。

ROMA(NETFLIX)

前回のナルコスの記事に引き続き、またもNETFLIX作品についての記事になってしまいました。

正直ネットフリックスのおかげで他の趣味が止まってます・・・

元々は、ネットフリックス内で見る優先順位としては低かったこのローマ。
あらすじを読んでもなぜタイトルがローマなのにメキシコの話なのか?とか、そもそもストーリーがないぞとか、その程度の印象。

ちなみにタイトルのローマの意味は、本編を見ても分かりません。
他にも映画の最後に「リボにこの映画を捧げる」と出てきますが、これも調べないと誰の事か分かりません。
要検索!!

しかし、ここまで色々な賞を取り(特に個人的にはベネチアの金獅子賞を取ってるだけで、見たい度がぐっと増す。)、メディアでも取り上げられ始めたので、やっと重い腰を上げて見ましたが・・・

感想としては、かなり見ごたえのある作品でした!!
(後回しにしてごめんなさい!!)

ただし、最初に断っておくと、あらすじを読んだ際の印象の通り、ストーリーは特になく、主人公のお手伝いさんが炊事洗濯している様子等、時間が穏やかに流れていく場面も多いため、退屈に感じる時間も少々ありました。さらに、事実を基にしている為、見終わってモヤモヤする部分もあったりする。特に「全裸男はそれ相応の罰を受けるべき!!」とか。

そもそもこいつに (行為の前に全裸で棒術する必要あるか?笑) 限らず、この映画で出てくる男は集団も含めて、少し滑稽に描かれてます。

また、全編白黒でしたが、新作なので画質は当然良いため、あまり気になりませんでした。

特に撮影が良かった。
まずオープニングの家の敷地内(床)を撮る何気ないカット、まさかこれがラストの同じ場所でのカットと対になり、この映画を通しての主人公の変化を暗示しているとは思いませんでした。
また、クライマックスの海のシーンでは、海→ビーチ→海と動く主人公と並走するような形で水平に動き、沖に行った為に姿の見えない子供達を探す主人公と同じ不安感を覚えました。これがものすごい長回しの後、主人公がある告白をして、この映画のメインビジュアルになっている6人が抱き合う所までの流れは完璧でした。
(同じ並走するカメラワークだと、例えば、町中で主人公が走っている場面が2回ありましたが、1回目は走る主人公の疾走感が、内面の高揚感を表しているように感じましたが、2回目はこれもまた子供を見失って探しており、焦燥感や不安感を感じる演出になっていました。)

ストーリー的には、中流一家とお手伝いさんの話だけど、二人の女性が虐げられ、傷つき復活するまでの物語、こう書くとストーリーもちゃんと起伏があります。
二人とも社会的地位は全く違いながらも、同じように男性によって傷つけられ、お互いに支え合い、強く復活していきます。
また、背景には当時のメキシコの政治的混乱、貧富の格差もありますが、劇中でハッキリとは説明されないので、積極的に読み解くしかありません。(玄関から外に出るシーンの度に出てくる、ラッパを吹き行進する軍隊とか。)

それに拍車をかけるように、場面ごとの細かい表現も無視できない。
動物のはく製や骸骨のおもちゃ等印象に残る物も多く、車は非常に重要な小道具で、さらに犬のフンまでもが小道具です笑

長くなりましたが、撮影と小道具などのディテールの見事さで、まるで自分が当時のメキシコにいたような感覚にさせる臨場感を作り出し、貧しい女性の視点という昨今二重に重要なテーマでストーリーを作る、賞を取るのは必然ですね。
また、個人的には先住民系のお手伝いさんを中南米で何人も見てきたので、彼女たちを思い出したりもしました。確かに彼女らは朝早くからよく働き、いつも笑顔で仕事をし、子育ても両立していたように思います。ただし、プライベートな部分は見たことがなかったので、今回の映画でそれを覗き見したような感じがしました。